咲くやこの花館前の池、大阪市内ではまず見る事のない一羽の鳥、何処からか飛来し鶴見緑地(花博記念公園)に住み着いていると思われます。
進化し尽くした様なスタイルは超野性的、公園内でコンビニのお弁当やBBQなどで食を摂る人間に対し、徹底したアウトドア派の彼らは食は狩る物だと言わんばかりの精悍な佇まい
最近、首が凝ってしょうがないな~ といった事は無いのでしょうか?
花後の剪定に追われ首筋に違和感を憶える私の率直な疑問であります
遠くを見つめる熱い眼差しはかなりの真剣モード、と次の瞬間
首を伸ばし羽を拡げ軽々と飛翔! 首筋に違和感は無いようです、、、
会場の咲くやこの花館は真に大温室
と き 平成29年5月24日~5月28日
ところ 咲くやこの花館(鶴見緑地・花博記念公園)
主 催 大阪さつき会・咲くやこの花館
後 援 大阪府・大阪市・産経新聞社
愛花 翠扇と好月の交配種、めぐり逢いが地合に変化、希少な新花
上総紫
明鏡
好月 樹高 62cm 樹幅 62cm
バックの金屏風が光に反射し豊臣秀吉の黄金の茶室の様相を呈しております。
背景により印象は全く異なり超ゴ-ジャスです!
自然風・好月は第1回から第7回まで連続出展の村上さんの作品です
愛花 樹高 94cm 樹幅 81cm
全国規模の展示会でも受賞歴のある和歌山の小薗さん、大阪さつき会二度目の出展で本領発揮、銘花の部・最優秀賞、産経新聞社賞を受賞、咲き分けも素晴らしく、お見事です!
明鏡 樹高 60cm 樹幅 86 鉢-裕士手造り
庭木から盆木へと導いた労作、盆上の大自然は自然樹最大の魅力と言えるでしょう、橋野さんは新木から創り込んでの出展、真に努力賞です
碧空 樹高 56cm 樹幅 80cm
第7回の展示会はテレビでも放映、本作品のアップが映っていたようです。
にぎり創りですがカメラマンの方は気ずいてはいないでしょう、幹化は完璧、創作の傑作です
濃紫の花色が金屏風に映え豪華絢爛、単色の魅力、ここに在り!
上総紫 樹高 59cm 樹幅 61cm
栄冠 樹高 54cm 樹幅 80cm
奈良県からは芦谷さんの初出展、豪快・豪放・剛力、深山の大樹を彷彿させる力強い一盆、持ち込みも最高です。
ちなみに芦谷さんの趣味は盆栽と単車、カワサキの改造レ-ス仕様でサーキットを疾走するスピ-ド狂!
静と動、真逆の趣味ですがこの栄冠、静に凄まじい躍動を感じます
水吸いの隆起が描く大樹の相
日照の光 樹高 26cm 樹幅 43cm
ボウリング愛好会の局長を務める近藤さんは日照の光を出展。
ちなみにボウリング会の名は新選組、、ボウリングをする時は孝司では無く勇と名乗っている可能性があります、、、
玲晃 樹高 35cm 樹幅 46cm
花芸豊かな玲晃、晃山系の花々ここに集結、不思議な魅力のある品種です
白玲・日光・秀峰の光・晃山、これが玲晃です
梅里 樹高 50cm 樹幅 70cm
銘花・上の山キリンの血を受け継ぐ極小輪。
長尺苗を束ね、上部にいくほど苗の数を減らしコケ順を創出、この作品は本人が苗を束ねたにぎり創りです。
岐阜県からは小林さんの出展、国風展や今年埼玉で開催された世界盆栽大会にも出展、80代になられても衰えない創作意欲は尊敬に値!
可憐な極小輪に上の山キリンの面影が少し残っているようです
春の苑 樹高 22cm 樹幅 47cm
文化 樹高 50cm 樹幅 47cm
金剛の光 樹高 58cm 樹幅 82cm
二大会連続受賞の川内さんは三大会連続にして大品の部・最優秀賞・大阪府知事賞を初受賞、やはり気になっていた様子で審査日に携帯に電話がありました。
四大会連続受賞も期待されます。
幹味に大木感溢れる希少品種の金剛の光、来年はどんな樹を飾ってくれるのでしょうか。
乞うご期待です!
福の華 樹高 50cm 樹幅 60cm
初めて観る花でした、かなりの希少品種に思われる福の華。
器量目一杯の開花は本当に素晴らしく、来館者の方々の足を止める力がありました。
会員に褒められた六田さんの笑顔が印象的です
遠目に観るお爺様の目線、味があります!
晃山 樹高 50cm 樹幅 75cm
東京・上野さつきフェスティバルにも参考出品で飾られた秀作、迫力と味わいを兼備する幹筋は見応え充分、花が少なかったので受賞を逃したように思われます。
満開であれば大品の部は実力伯仲・混戦必至、自然相手のままならぬ開花の調整、花季展ならではの難しさがあります。
奈良県から北中さんの出展です
八咫の鏡 樹高 34cm 樹幅 60cm
大阪さつき会会長・廣森さんは中品の最優秀賞・大阪市長賞を受賞!
お仕事では日本とアジア各国とを行き来する経営コンサルタント、仕事も趣味も全力投球、銘花・八咫の鏡も花で応えているようです
白玲 樹高 37cm 樹幅 50cm
咲くやこの花館の方々が集めて下さった史料です。
マルバサツキの分布圏に注目です、さつき界ではマルバサツキ=九州産のイメ-ジが強いように思いますが、実際は九州本土はごく一部、より南に分布していたようです。
現在、さつき界に残る純粋なマルバサツキは薫風、自生種ながら本当に美しく自然の創造力は神がかっているようです
月刊・さつき研究の広告や通販カタログでもお世話になっている広告代理店の土屋さん。
趣味の三線は父親が亡くなられたのをきっかけに始められたそうです、三線の優しい音色に心癒されたのでしょうか。
歌の途中、裏声に反すタイミングは絶妙、花々と相まって心温まる演奏でした
さつき相談にも気さくに応じる山本さん、さつきの受賞は逃すも、搬入から搬出、展示会全日程をフル出場の皆勤賞!
左から 筑峰 日光 若恵比須 秀峰の光
月刊近代盆栽賞はベテランの河野さん、小盆らしい凝縮の美が素晴らしい一席。
筑峰はミヤマ霧島とさつきの交配種ですが開花はそれほど早くなく、花季展にも使用可能、この系統では一番開花が遅いと思います。
石付の日光も古相感が秀逸、盆中のみで創られた物でしょう年季が入っております
上から 若恵比須 白玲 珍山 幸の司
年々グレ-ドアップする紺谷さんは大阪市会議長賞!
中段の珍山は来春、差し枝を詰めて改作予定だそうです
左から 日光 若恵比須 碧翠 花蓮光
左から 鶴翁 碧空 星の輝
藤本さんの星の輝は粋で洒脱、他の会員が売って欲しいと懇願、ここは即売所ではありません、、、
栄冠 樹高 60cm 樹幅 80cm
大盃(一号性) 樹高 32cm 樹幅 51cm
こちらも知事賞受賞の川内さんの作品、受賞は逃すもドッシリとした小盆の魅力溢れる逸品!
桃香 樹高 43cm 樹幅 45cm
花をこよなく愛する北村さんは今会期中、骨をさつきに埋めると大決意宣言!
埋められるさつきの気持ちはどうなのでしょう、、、
鶴見区長賞の桃香が北村さんの心を奪ってしまったようです
星の輝 樹高 32cm 樹幅 45cm
流れの利いた野趣溢れる一盆、石川さんは月刊さつき研究賞を受賞!
鮮烈な花色は息の永い人気品種、満開の晴れ姿に納得です
星の輝 樹高 68cm 樹幅 40cm
松柏類での国風展の出展経験豊富な楊さん、景色良くセンス感じる星でした
子供達はペアルック
ママ友だってペアルック!
お父さんも交じってトリオルック?
晃山 樹高 40cm 樹幅 65cm
私事で恐縮ですが、今年の来館者人気投票第1位は本作品・単色の晃山です。
これには正直ビックリ、咲き分け品種が上位を独占するのが通例ですが、なんと第2位も大盃、来館者の方々が色では無く花の咲き具合を評価しての結果に思われます。
新花のかつて無い新鮮な花色を求める一方、日本人の美意識が原点回帰、古き良き物に傾倒し始めているのかもしれません
松波 樹高 65cm 樹幅 78cm
新選組の局長、近藤さんは燻銀の古花・松波で城東区長賞を受賞!
江戸時代から受け継がれる松波の実力は気品にあり、乱世の幕末にも松波は穏やかに気品を湛え咲いていた事でしょう
七福寿 樹高 54cm 樹幅 76cm
十六夜と金華山の交配種、七福寿、何とも縁起の良い名前です。
大阪さつき会・若手のホ-プ・行友さんは自然樹を上手く纏め努力賞!
難波錦 樹高 48cm 樹幅 45cm
凝視しているのは花ではなく根であります。
この写真のまま数十秒経過、不思議な根、少女の好奇心は遠い森の中
五光 樹高 22cm 樹幅 37cm
差し枝の利いた五光は小盆栽愛好家・森崎さんの出展。
ウナギを食する展示会反省会には石川さゆりのコンサ-トへ行くため、やむなく欠席、非常に残念そうでした、ウナギと越えたい天城越えだったようです、、、
左から 茜 樹高 20cm 樹幅 35cm
小町笑 樹高 30cm 樹幅 50cm 鉢-行山手造り
小盆のスペシャリストの河野さんは月刊近代盆栽賞と大阪府会議長賞のW受賞!
小町笑の小盆の秀作の希少性は絶大!
国内ベストテンにランクインするのは間違いなく思います。
花芸も申し分ありません
好月 樹高 53cm 樹幅 60cm
光琳 樹高 20cm 樹幅 33cm
大盃(一号性) 樹高 50cm 樹幅 70cm
秀峰の光 樹高 23cm 樹幅 28cm
碧空 樹高 21cm 樹幅 35cm
如峰山 樹高 17cm 樹幅 27cm
未完の部・光華園大賞は将来性豊かな柳本さん自慢の一樹、大木然とした強烈な立ち上がりに惹かれます、三年後、五年後へと夢膨らむ作品です
大阪さつき会・会長・廣森美智一さんの表彰式のご挨拶
大阪府知事賞の川内敏巳さん、私はさつきがなかったら死んでしまいますと言われる程、さつきが好きな方です
深々と頭を下げ大阪市会議長賞を受賞するのは紺谷俊彦さん、さつきへの真摯な姿勢が受賞時に現れたようです。
大阪さつき会の成長株、今後の活躍が楽しみです
お忙しい中駆けつけて頂いた近藤孝司さんは城東区長賞、大阪さつき会と新選組、お忙しくも趣味は怠らないタフガイです
産経新聞社賞の小薗隆男さん、受賞を家族の方々に信じてもらえず、受賞樹の前で記念撮影し即ラインで写真を送っておられました。
奥様、息子様、確かに受賞されております
展示会最終日の夕日に照らされた祭りの後。
少し淋しくもおだやかな安堵感に包まれる一時です。
大阪さつき会会員の方々、咲くやこの花館のスタッフの方々、満開に咲き誇ったさつきの方々、今年もお疲れ様でした